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2008年12月31日

奥多摩ゆるキャン一日目。

こんにちは。鳥です。

靴を脱いで足を伸ばしたまま飲食喫煙ができる憩いのカフェ、中目黒「chano-ma」から、食後のあたたかいチャイを飲みながら、あの寒かった奥多摩の山々に思いを馳せています。

奥多摩ゆるキャン一日目。

山登り初心者が、いきなり奥多摩に挑むとどういう目に遭うか。図らずもそんな検証記事になってしまいましたが、これから冬山に足を運ぼうと思われている方の参考になれば、幸いです。

まず、私に足りなかったものを振り返ってみたいと思います。

1.経験不足
2.準備不足
3.体力不足

1.経験不足

こればかりは今さら嘆いたところで取り返しのつかないものですが、全てを同行者のroadmanさん任せにしていたのは、心労を重ねる一番の要因でした。というのも、地形を頭に入れず、地図すら持たなかった私は、あとどれくらいがんばればどこまで到達するのかもわからない中、ペース配分が狂い、いたずらに体力を消耗する結果になりました。

また、水の必要量がわからなかったことが、あとあとあれだけ苦しめられる要因になろうとは。ナルゲン1L+ペットボトル500ml×2で2Lは確保していたものの、一日目で半分以上を使い果たし、roadmanさんに貴重な水を分けてもらいました。それでも足りず、二日目の途中に雪をかき集め溶かす作業にかなりの時間を浪費。しかも杉の木近くの雪は小さな芽のようなものが混じり独特の臭みを放ち、飲むと嗚咽したくなるような気分の悪さが襲ってきます。重量を減らすために捨てたら、標高の下がった後半戦では雪もなくなり喉の渇きとも闘う羽目になりました。

2.準備不足

主にウェア・ギアに限ったテーマに絞ると、三日間通じて悩まされたのが靴。なんちゃってハイキングシューズで冬山に挑むと大変です。下りで滑るわ濡れたら乾かないわで、体力面はともかく、精神面で挫けます。休憩中に少しでも乾かそうと天日にさらし、さぁ出発だと生乾きの靴に足を入れるたびに意気消沈していました。

ウェアのレイヤリングは、ポリエステルのアンダーにフリース、ソフトシェルという組み合わせ。防寒・防風性では問題なかったものの、透湿性に難有り。0℃を下回っていても、動くとやはり汗をかく。しかし、これがなかなか乾かない。ボトルネックになっていたのはどうやらフリースだったようで、ジッパーを開けるとモワっと湿気が逃げ出すのがわかりました。

ちなみに、装備品リストは以下の通り。

テント:MSR ハバHP
シュラフ:Golite アドレナリン0
マット:コールマンの3/4のマット
その他:MSR OverLand Carbon Telescoping Poles、鍋2/蓋1のクッカーセット、プリムスEX-URT-2A、食材、orbit、PETZLタクティカXP、KAWASAKI・ポケットウォーマー、ナルゲン・1Lボトル

ウェア(上):MHW・ナイロンのアンダー、MHW・モンキーマンジャケット、Outdoor Research Mithril Stormshell Jacket 、Western Mountaineering Meltdown Jacket(行動時は着なかった)
ウェア(下):Patagonia Backcountry Guide Pant、ブレスサーモのタイツ、コットンのタイツ
その他:Outdoor Research Vert Gloves、ふつうのくつした、フリースのくつした、MAGIC MOUNTAIN エレファントットダウンシューズ(roadmanさんとおそろいでした)

3.体力不足

風邪をひいてたことを割り引いたとしても、roadmanさんのペースにはとてもじゃないけどついていけませんでした。オリンピック候補のマラソン選手と、昨日今日始めたばかりの市民ランナーぐらいの差があったでしょうか。予定の半分も進めなかったことに、甲子園の地方予選で3回コールド負けぐらいの悔しい思いを味わいました。

ただ、ストックの使い方や、登り・下りでの足の運び、平地で疲労を回復させる歩き方など、むちゃくちゃだった一日目に比べ、それを手探りで見つけ始めた二日目は、ゆっくりながらもバテることなく着実に前進できるように。闇雲に歩くのではなく、自分の体力に見合った歩き方で、目的地から逆算したペースで歩くことが大事だと感じました。

と前置きはこれぐらいにして、奥多摩ゆるキャン一日目です。

12/27、5:00AM

起床。まだ暗い街をバイクで駆け抜け、新宿駅についたのは5:40。JR中央線・高尾行きの始発に飛び乗り、立川で6:39発のJR青梅線・奥多摩行きに乗り換えた6:40、roadmanさんからメールが届く。よほど慌てていたのか、そこには件名も本文も書かれていない。不思議に思いながら駅の売店で買い入れたおにぎりを食べていた6:42、「寝坊して、新宿までタクシー走らせてます」とのメール。さすがに新宿までは走らないのかぁと思いながらぼんやりしてると、いつのまにか寝入っていた。起きると車内には誰もいない。折り返し運転で立川に戻りそうになる寸でのところで飛び降りる。

駅を出ると、山男たちがちらほら。roadmanさんが到着するまで一時間弱の余裕があったので、温泉でも入ってみようかと看板を見たら、でかでかと「臨時休業」の文字。仕方なく付近をうろついたり駅のギャラリーでお茶を飲んだり暇をつぶす。

「遅れました~」と背後の声に振り返ると、そこにいたのはかの鉄人。インテリジェンス漂う律儀そうな風貌からは、とてもじゃないが、きれいなおねえちゃんのいる下品なお店ではしゃぐ姿が想像できない。

9:33、東日原行きのバスに乗る。乗り物酔いする私に山間を行くバスは少々酷だったが、途中からroadmanさんの口数も少なくなり、かの鉄人も乗り物には弱いのかななどと思いながら、お互い黙って景色を眺めていると、バス停に到着。

東日原バス停前~ヨコスズ尾根~一杯水避難小屋へ

取り付きからいきなりの急登。スタート5分はついていけたが、坂もギャップも物ともせずスイスイ登るroadmanさん。次第に遅れを取ると、腰を掛けるのにちょうどいい岩を見つけて倒れ込むようにダウン。「体をあたためるのにちょっと飛ばしてみました」と言う氏にとってのウォーミングアップは、息を喘がせながら汗を流す私には見るからにきつすぎたと察したのか、それからはゆるゆるとした歩みに。

後発のおじさん3人に抜かれ、みじめな思いをしていると、ザックにストックがあることを思い出す。タープのポール代わりに使っていたものが、初めての実戦投入。地面にさすと、バイーンバイーンとカーボン特有のしなりがあって気持ちいい。そこから加重を少し乗せドライブをかけるとしっかり歩みをアシストしてくれる。こいつは楽だ。2本で500gを切る軽さも腕にかかる負担が少なくて助かる。

登攀1時間ほどでところどころ平地も出てきて、斜面もなだらかになってきたころ、「ゴォーゴォー」という音が聞こえ始める。滝か何かでもあるのかなと思っていたら、谷底から風が吹き抜ける音だという。幅1m弱の尾根筋、両脇は崖。そこを風に煽られながら進む。あぁ、これが山歩きの醍醐味かと、味わうように足を運ぶ。

ただ、行程のなかばほどを過ぎたあたりから、雪が目立つようになる。途中で降りてきた初老男性の「上のほうは膝まで雪だよ」という言葉が急に現実味を帯び始めるが、降ったばかりのパウダースノーは吹けば飛ぶようにさらさら。グローブでわしづかみにして口に入れる。うまい。靴下までびしょびしょになるも、踏みしめればぎゅっと締まる路面はあんがい歩きやすくて、初めての雪山歩きも堪能できた。

そうこうするうち、一杯水避難小屋に到着。時間は13時過ぎ。小屋の手前のベンチで、「まずはまずは」と言いながら、roadmanさんがチャイを淹れてくれた。冷えた体にしみわたるあたたかさ。続いて棒ラーメンを取り出したので、私もジップロックに入れておいたニョッキを茹でる。バターにバジルと胡椒をかけると、山に似つかわしくないイタリアンな香りが漂った。

「おーい、中に入れよ」と小屋からおっさんが手招きする。私は外で荷物の整理などしていると、roadmanさんが先に入ってしまった。遅れて中に入ると、すでに座布団やら毛布を広げて、寝床が準備されてる。「今日って、ここで泊まりですか?」と聞けば、「時間も時間ですし」と言うroadmanさん。「あれ、冬山で野営するって話は・・・」と思わず言いかけた口をつぐむ。盛大に燃え上がる薪ストーブを前に、当初の予定など無意味だ。

ストーブのあたたかさでほんわかしていると、「ちょっとそこらを走ってきます」とroadmanさんが出ていった。こっちはぐったりしているのに。あとで小屋のおっさんらにも走りに行ってることを告げると、「ひぇ~よくやるねぇ」とだいぶ驚かれていた。

私が薪ストーブにあたためられてウトウトしていると、三ツドッケあたりをぐるりと回ってきたそうで、小一時間ほどで戻ってきた。それから沈む夕陽を見て、迷子の猟犬の相手をしたり、雪を溶かして水をつくったり。携帯でブログの更新をしようと思ったら、寒さのせいか充電がみるみるなくなってしまった。そのため、写真もほとんど撮れずじまい。

小屋に戻りストーブからほどほどの場所に陣取っているとおっさんに山葡萄酒やベーコンやたまご焼きやらを振る舞われ、徐々に酔いが回る。あぁいい気分だなと思っていたら、19時をちょっと過ぎたあたりで5人いた小屋のおっさんらはみんなシュラフを広げて眠ってしまった。

地図を広げてroadmanさんと明日のルートを確認する。やはりペースを考えると、別行動を取ったほうがいいなと思う。とても七跳を抜けて大平山なんかには行けそうもない。それよりも休みをたっぷり利用して、のんびり歩いてもう1泊してもいいだろう。食料も、手持ちは少ないが、まぁなんとかなりそうだ。

外の温度計を見ると-5℃。明け方はもっと冷えるのだろうな。主人に見捨てられたこの猟犬は大丈夫だろうか。そんなことを思いながら、アドレナリン0にくるまれてポカポカしたまますぐ寝入ってしまった。

奥多摩ゆるキャン二日目へ。



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この記事へのコメント
お疲れ様です~。
やっぱり、何度登っても、反省する事ってたくさんあるんでしょうね。
水は、ほんとにいつも悩みます。
たくさん持って行っても重たいし、水が確保出来る所の確認だけはするようにしています。

ほんとご無事でよかった^^
Posted by ごち at 2008年12月31日 01:41
おおぅ、これはとっても楽しいエントリですな。

wowowでやってる、U.M.A.レイクプラシッド2のパイオツシーンもそっちのけで読んじゃいました(笑)
それにしてもroadmanさんってやっぱりスゴイのですねぇ。。。

続きは是非、"卓球バー"からお願いします。
Posted by dreameggsdreameggs at 2008年12月31日 01:50
まさかとは思うのですが、初登山だったりしたのでしょうか?

大平山方面へ向かう幹事長とは分かれたわけですね。ナイス判断でした。

いきなりかなり経験値を稼げましたね。ひのきの棒だけ装備した状態でお城から出てすぐ中ボスを倒した感じでしょうか。
Posted by kimatsu at 2008年12月31日 07:58
>ごちさん

ほんとに今回は反省ばかりでしたよ。
みなさんがやたらに買い物されてるのは
それが必要だからと初めて理解しました。
ただの物欲のためじゃなかったんですね。

水は1泊2日で2Lじゃ足りないと思いました。
かといって3Lは重すぎる気もするし。
むずかしいですね。
Posted by tori-birdtori-bird at 2008年12月31日 12:12
>王子

私はパイオツシーンのほうが気になりますが、
それにしてもroadmanさんはすごいですよ。
軽はずみに「お山に連れてって」なんて言わないほうが、
身のためです。あ、言っちゃってましたね。

卓球バーはまだ行ったことないんですよー。
Posted by tori-birdtori-bird at 2008年12月31日 12:14
>kimatsuさん

そうなんですよ。夏の屋久島で5年前に宮之浦岳へ
登ったっきりで、それ以外は小学校の高尾山までさかのぼります。

ラスボス手前のダンジョンでホイミンが仲間に
加わったようなもので、足手まといだったと思いますが、
おかげで経験値はだいぶ積み上がりましたよ。
Posted by tori-birdtori-bird at 2008年12月31日 12:20
「ちょっとそこらを走ってきます」・・・
恐ろしい・・・(笑)

それにしても疲れ様でした!
Posted by tcymtcym at 2008年12月31日 13:17
>tcymさん

小屋にいたベテランの登山家たちでさえドン引き
するぐらいですから、もう変態と言ってもいいでしょうね。
私とかはノーマルのままでいたいと思います。
Posted by tori-birdtori-bird at 2008年12月31日 14:16
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