2010年02月23日
藪は抜けたか?
もし仮に人生をやり直せるとしたら、モデルとして忠実に再現したい人物がいる。その男、一見すると険しいが、よく見ると顔の一つひとつの皺にまで優しさをたたえ、なるほど、年頃の女子をさんざん惑わしてきたのだろうと容易に見て取ることができる。天は二物を与えずというが、さらに神は気前よく麗しき愛妻と可愛い子供たちを彼に与え、代償に絶望的な、あまりに絶望的な喉の渇きの苦しみを課すことで、辛うじて世界の均衡は保たれたのだ。
その男、浴びるように酒を呑む。かつて二晩をともにし、素面の彼に出会うためには三日目の朝を待たねばならなかった。だれがウーロン茶のペットボトルにストレートのウイスキーが満たされていると思うだろう?お茶を飲むがごとく、さらさらと、アルコール45度の蒸留酒を呑み干す姿は今も鮮明に覚えている。
そんな風だから今回も大酒を呑むのだろうと、なかば期待して眺めていた。ところが予想を裏切り、もっとも一滴もとは言えないが、彼にしては嗜む程度の酒量に抑えられていた。酔っていても、山の話を始めるとき、その男の表情には一瞬の緊張が走る。ましてや厳冬期の雪山。謙虚な山への畏れが、彼に自省を促すのだろう。2月20日から21日にかけて、八ヶ岳は黒百合平でのことである。

晴天ならその山行は99%成功だというが、それは本当だろうか。 続きを読む
その男、浴びるように酒を呑む。かつて二晩をともにし、素面の彼に出会うためには三日目の朝を待たねばならなかった。だれがウーロン茶のペットボトルにストレートのウイスキーが満たされていると思うだろう?お茶を飲むがごとく、さらさらと、アルコール45度の蒸留酒を呑み干す姿は今も鮮明に覚えている。
そんな風だから今回も大酒を呑むのだろうと、なかば期待して眺めていた。ところが予想を裏切り、もっとも一滴もとは言えないが、彼にしては嗜む程度の酒量に抑えられていた。酔っていても、山の話を始めるとき、その男の表情には一瞬の緊張が走る。ましてや厳冬期の雪山。謙虚な山への畏れが、彼に自省を促すのだろう。2月20日から21日にかけて、八ヶ岳は黒百合平でのことである。

晴天ならその山行は99%成功だというが、それは本当だろうか。 続きを読む
2010年02月17日
西丹沢から道志へ。
2010年02月03日
Golite - Utopia 4
こんにちは。鳥です。
巷じゃシャン8が廃盤?という噂で持ちきりのようで、こんなマイナーな幕がなくなると聞いてもたぶんだれひとり悲しんだりしないと思うんですけれども、どちらかというとそういう日の当たらないイメージにシンパシーを感じてしまう私は、ひっそりと引退する彼にささやかながらもスポットライトを当てようと思ったわけです。

一見するとオーソドックスなテントですが。
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巷じゃシャン8が廃盤?という噂で持ちきりのようで、こんなマイナーな幕がなくなると聞いてもたぶんだれひとり悲しんだりしないと思うんですけれども、どちらかというとそういう日の当たらないイメージにシンパシーを感じてしまう私は、ひっそりと引退する彼にささやかながらもスポットライトを当てようと思ったわけです。

一見するとオーソドックスなテントですが。
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2010年02月01日
沈黙に耐えられない人はキャンプに向かない。
こんにちは。鳥です。
普段からとても主義主張をするような人間ではない、何事も対岸の火事で、日和見を身上とする私でも、焚き火を前にすると独善的な思いにとらわれていくから不思議だ。

そこに会話がなかろうと、と言葉にするのも無粋だから、テントを張り、火を起こし、食べ物を焼き食べて寝る。ただそれだけで過不足なく、「人生は緊張と緩和の連続で、であるならばキャンプなしでは生きられない」そういう人間になってしまったのは、あるいは年のせいかもしれないなどと思う週末だった。
普段からとても主義主張をするような人間ではない、何事も対岸の火事で、日和見を身上とする私でも、焚き火を前にすると独善的な思いにとらわれていくから不思議だ。

そこに会話がなかろうと、と言葉にするのも無粋だから、テントを張り、火を起こし、食べ物を焼き食べて寝る。ただそれだけで過不足なく、「人生は緊張と緩和の連続で、であるならばキャンプなしでは生きられない」そういう人間になってしまったのは、あるいは年のせいかもしれないなどと思う週末だった。