2011年03月14日
払い忘れたお代。
仕送りもなく身銭で赤貧をしのいだ学生時代が終わり、ようやくサラリーというものを得てまっとうな暮らしができると安堵していた社会人1年目のことだ。
初任給が出るのが4月の末日だと知り、それまでの一ヶ月間、スーツを買ったり交通費を立て替えたりなどで学生時代にも味わったことがないような貧乏暮らしを強いられたので、初めて20万そこそこの給与を手にしたときは感動したものだ。
とは言うもののたまった借金を返したり飲みにいったりなどで、ほとんどすっからかんの状態で迎えた、社会人になって初めてのゴールデンウィーク。
お金を使わずできるだけ遠くへ行こう—―社会人生活で強いられる規則正しい行動様式に反発するかのように、北を目指すことだけを決めてとりあえずバイクに飛び乗った。
首都圏を抜けて千葉から九十九里浜に出て海岸沿いを延々と北上。今のようにETC割引もないのでひたすら下道をノロノロと進み、太平洋沿いに沈む夕日を眺めながら、どこまでも続く、長大な東北の大地に呆れ果てたものだ。
深夜、福島の浜通りあたりにあるどこかのコンビニで、疲れきり駐車場の片隅で少し寝ようと横になる。ところが実際は眠れるどころじゃなく、分厚い革ジャンを通しても伝わってくる寒さに震えながら、あたたかいものを食べたいなぁ、だけど今お金を使っちゃうと旅を続けられないなぁ、とひもじい逡巡をしていた。そこでコンビニの店長らしき人に声をかけられた。
「よかったらこれ食べて」と、おにぎり2つと唐揚げのパック。「明日にはどうせ捨てるやつだから」とぶっきらぼうに言うわりには、電子レンジできちんと温められてあって、その暖かみが心底うれしかった。
それが私にとっての払い忘れたお代だ。
「ハイカーによる東北太平洋沖地震復興支援」
http://justgiving.jp/c/1777
義援金だとか募金だとか寄付だとか、呼び方なんかどうだってよくて、「借りたもんはいつか返さなくちゃいけないなぁ」という気分でポチりました。いつも海外通販でポチり慣れた皆様、検討してみてはいかがでしょうか。
初任給が出るのが4月の末日だと知り、それまでの一ヶ月間、スーツを買ったり交通費を立て替えたりなどで学生時代にも味わったことがないような貧乏暮らしを強いられたので、初めて20万そこそこの給与を手にしたときは感動したものだ。
とは言うもののたまった借金を返したり飲みにいったりなどで、ほとんどすっからかんの状態で迎えた、社会人になって初めてのゴールデンウィーク。
お金を使わずできるだけ遠くへ行こう—―社会人生活で強いられる規則正しい行動様式に反発するかのように、北を目指すことだけを決めてとりあえずバイクに飛び乗った。
首都圏を抜けて千葉から九十九里浜に出て海岸沿いを延々と北上。今のようにETC割引もないのでひたすら下道をノロノロと進み、太平洋沿いに沈む夕日を眺めながら、どこまでも続く、長大な東北の大地に呆れ果てたものだ。
深夜、福島の浜通りあたりにあるどこかのコンビニで、疲れきり駐車場の片隅で少し寝ようと横になる。ところが実際は眠れるどころじゃなく、分厚い革ジャンを通しても伝わってくる寒さに震えながら、あたたかいものを食べたいなぁ、だけど今お金を使っちゃうと旅を続けられないなぁ、とひもじい逡巡をしていた。そこでコンビニの店長らしき人に声をかけられた。
「よかったらこれ食べて」と、おにぎり2つと唐揚げのパック。「明日にはどうせ捨てるやつだから」とぶっきらぼうに言うわりには、電子レンジできちんと温められてあって、その暖かみが心底うれしかった。
それが私にとっての払い忘れたお代だ。
「ハイカーによる東北太平洋沖地震復興支援」
http://justgiving.jp/c/1777
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Posted by tori-bird at
01:05
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2010年12月27日
雪洞の中から見えたもの。
全盛期の"Ozzy" OsbourneがSystem Of A Downの新曲をプロデュースするのでもなければこのように狂ったリズムを再現するのは不可能かもしれないと思った。秒速18mの風が幕体にぶち当たり叩き付け揺さぶる音はそこに居る無力な者の貧弱な鼓膜を突き抜け三半規管のそれらしい箇所にしっかりと余韻を残していたので、翌朝、雪洞の中に潜り込んだときはその静けさに慣れるまでここではない別のどこか違う宇宙空間にでも迷い込んでしまった風な錯覚に少し目眩を覚えた。
「静かだね」
とkool8は言った。
「ここが一番、寝心地よかったろうね」
と私は言った。
われわれのように、と一括りにするのも失礼な話だが、亜流のハイカーとは違いおそらく列記とした山岳会の人たちが残していった雪洞の中は、静かで暖かく小屋を除けば半径5km内の他のどの場所よりも落ち着く空間と言えた。12/18〜12/19、谷川岳 肩の小屋でのことである。 続きを読む
2010年10月27日
【祝】Golite Ion復刻ハイク。
われらIon原理主義者の長年の苦難がついに結実し、なんと英国でIonの復刻モデルがリリースされたとのこと!国内では三鷹や下北あたりですでに扱いが開始されておりますので、まだお持ちでない方はただちにゲットし、晩秋のミニマムハイクを存分に堪能されたしであります。
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Posted by tori-bird at
02:30
│Comments(0)
2010年10月13日
阿弥陀岳中央稜-御小屋尾根
核心部を越えるいまるぷさんとチャイさん。
急登に挑む楽しみを一つ挙げろと聞かれれば、「常に空を見上げられること」と答えよう。そんな風に思った、思わざるを得ない山行でもあった。10月12日、阿弥陀岳中央稜を登り御小屋尾根を下った。
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Posted by tori-bird at
22:00
│Comments(1)
2010年09月28日
初めてのデイハイク。
最近ダイエットなんぞ始めまして、と言っても夕飯をソーメンとかソバに変えただけなんですけど、なのにみるみる痩せていくのはこれまでどんだけ飽食に明け暮れていたか!という何よりの証でもありますが、まぁ人間的にはともかく体のほうは軽くなってきたもんでいっちょ奥多摩でも走ってみるかい、と思って先週末に出かけましたら↑のヤドカリみたいな集団に出くわしたって話です。
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2010年09月26日
北海道ツーリング・ハイク(4日目・5日目)
2010年09月14日
沢で水に流すのだ。
朝6時、コンビニの前。四人のハイカーが語らう背後を、黒いカラスが横切った。カラスが黒いのは当然だとしても、その黒さの違和感に言及せざるをえないほど、清々しい朝に忍び寄る暗い影は場違いな存在だったのだ。おそらく私だけしか気付いていない。あるいは私だけしか見えていない、というほうが事実に忠実だったかもしれない。カラスは烏とも書くんだっけな、とぼんやり思っていたら、鳴きもせず羽音も立てず、気配だけを消すかのように、飛び去っていた。高く澄んだ青空の黒い一点を見つめ、胸騒ぎを覚えた。 続きを読む
Posted by tori-bird at
01:03
│Comments(2)
2010年08月09日
だいぶ惜しいと溜め息がもれるアルコールバーナー。
英語ができないだけならまだしも彼女もできない上に自作もできない不器用な私ですが、最近の既製品使ってるうちはしょせん素人的なバーナー事情に少々うろたえておりまして、なんかないかとぶらっと立ち寄った東急ハンズでこんなにも衝撃的なグッズに出会い、愕然としながら自作の道をあっさりあきらめました。
なぜかステンレス製。 続きを読む
なぜかステンレス製。 続きを読む
2010年08月05日
dyog使って適当に装備まとめてみました。
また例によって写真とか撮り忘れちゃったんですけど、こないだの櫛形山のときの装備リストとかとか。ビヴィあるのになぜかクラウドバーストも持ってったりとか、帰り際にザックの底からシルタープが出てきたりとか支離滅裂なパッキングになっておりますが、出発直前にえいやっと詰め込んだらこうなりました。 続きを読む
Posted by tori-bird at
00:23
│Comments(1)
2010年07月30日
Marmot / Home Alone Bivy
前面左側がちょっと突き出す左右非対称なつくり。
ULハイカーの話題にのぼることもなく、オートキャンパーにとってはオーバースペック気味で、名の知られたブランドでありながら一体どこらへんのマーケットに目を付けているのかよくわからないことでも知られるMarmotなのですが、なかでも幕体関係は酷くてウィットに飛んだ冗談かのようなテントも少なくなく、オレンジ色がステキだわ~とか頬をポーっと染めて近寄ってきた初心者を次々と涙目にさせ絶望の淵に追い込んできたと言ったら言い過ぎですけど、まぁそんな愛すべきMarmotのフレーム付きビヴィ、Home Alone Bivyを買いました。
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