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2010年09月14日

沢で水に流すのだ。

朝6時、コンビニの前。四人のハイカーが語らう背後を、黒いカラスが横切った。カラスが黒いのは当然だとしても、その黒さの違和感に言及せざるをえないほど、清々しい朝に忍び寄る暗い影は場違いな存在だったのだ。おそらく私だけしか気付いていない。あるいは私だけしか見えていない、というほうが事実に忠実だったかもしれない。カラスは烏とも書くんだっけな、とぼんやり思っていたら、鳴きもせず羽音も立てず、気配だけを消すかのように、飛び去っていた。高く澄んだ青空の黒い一点を見つめ、胸騒ぎを覚えた。
遡行記録、というほどのものは書けない。写真家に、写真家であったことを後悔させかねない再現不可能性な迫力が、そこにはあった。そことは、奥飛騨の沢上谷。と書いて、ソウレダニと読むそうだ。ハイライトは大滝。30mにも達する巨瀑には、瀑というような荒々しさはなく、真っ白いシルクが長大な壁面を水飛沫も立てずなでるかのようになめらかで、穏やかに流れ落ちていた。

が、滝を求めるためにここを歩く(登るというより歩くというほうが概ね正しい)のは、木を見て森を見ずとでも言うべきだろう。花崗岩と思しきスラブ(一枚岩)で整然と敷き詰められた床とその回廊は、人為的な形成を疑わないとするなら、陳腐化された表現だとしても「自然の奇跡」とうたいたくなるのも無理はない。およそ60〜70mを高巻く大滝のトラバースを除けば、沢登りというアクティビティが持つ危険な香りを取り去った、のどかな回廊散歩を楽しむことができるはずだ。

こんな沢もいい。

6時間余りに及ぶ遡行も時間を忘れ、延々と続く、下山の林道歩きだけがただただ辛く、気だるい疲労感に襲われながら、眠気との格闘に30数回目の敗退を数えたとき、ようやく遡行開始地点にたどり着くことができた。

人を変えるのは、人との出会いだけだ。そして良い人間であろうとするなら、良い人間と出会うべきなのである。なにをもって良いとするかは己の心の声に耳を傾ければ聞こえるはずだが、都会の喧騒の中ではそうもいかない。だから私は山へ行くのだ。

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この記事へのコメント
せがれが、運動会の振替休みでした。
フリスビー持って公園に行った帰り、
「お兄ちゃんまた来るかなぁ」と
つぶやいていました。
もちろん、また来ていただけますよね?
Posted by いまるぷ at 2010年09月21日 16:03
>いまるぷさん

ああ、だめですよここではニヒルでヒールのtori-birdで通してるんですから!!
子供と一緒にフリスビーを追いかけて遊んだとか
木の高いところに引っかかったときなんかには
「どれ、ここはお兄さんに任せな!」
と言って取ってあげてみたりしたことまでバラして、
完全にいいお兄さんキャラじゃないですか困りますよもぉ〜〜。

次見るときは、大きくなってんですかね。
爺臭い楽しみが一つ増えました。
Posted by tori-birdtori-bird at 2010年09月22日 00:15
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沢で水に流すのだ。
    コメント(2)