2011年04月26日
風評被害に揺れる福島県・裏磐梯へ【1】
この地図上の分布から密度の高いエリアを3つに区分してみたのが上記の画像で、それぞれ「裏磐梯エリア」が15、「猪苗代エリア」が9、「尾瀬(の北側)エリア」が8、と、このエリアにキャンプ場または関連する施設が比較的集中していることがわかった。
黒い円の中心にあるのが懸案の福島第一原発である。避難勧告の対象となっている20km圏内、そして自主避難が求められている30km圏内にも多くのキャンプ場と関連する施設があり、特に沿岸部は壊滅的な被害が予想される。
が、先に挙げた裏磐梯は80km〜100km、猪苗代は75km〜95km、尾瀬(の北側)に至っては140km〜160kmも原発から離れており、この直線距離を東京に当てはめれば新宿→甲府(約100km)、品川→静岡(約140km)に相当する。
実際、福島県が公表している「放射線測定値情報」によれば、直近1週間(4/18〜4/25)の放射線測定値は会津若松(原発からおよそ100km)で0.17〜0.20 マイクログレイ/時(≒マイクロシーベルト/時)、南会津(原発からおよそ115km)で0.07〜0.08 マイクログレイ/時(≒マイクロシーベルト/時)の範囲で推移し、県内沿岸部と比べれば低い値となっており、素人目であるが南会津に至っては東京都内と大差ない数値のようにも思える。
そこで上記した3エリアの中からHPにメールアドレスの記載がある8つのキャンプ場を抽出、営業しているかどうかなどを確認するメールを送ったところ、「桧原西湖畔オートキャンプ場」と、「曽原湖キャンプ場」から回答を得た。承諾をいただき、以下、メールから抜粋し転載した。
>お尋ねの件ですが、当キャンプ場は太平洋から100㌔近く離れており、津波の被害は当然有りませんでした。
>地震も場内外に被害も有りませんでした。
>しかし、困った事にその後に起きた、原発の問題でGWに入っていた予約は風評で全て取り消しになり、
>現在はGWに創業開始初めてお客ゼロと為っております。
・・・以上、桧原西湖畔オートキャンプ場より
>裏磐梯にある曽原湖キャンプ場は、震度が6と振動は強かったものの、被害はありませんでした。
>又、原子力発電所より100km離れていても、福島県内であると言う事で、原発の風評被害が出ており、
>お客様の減少が心配されています。
・・・以上、曽原湖キャンプ場より
「創業以来初めて、GWの予約がゼロ」など、いずれも地震や津波による被害はなくとも、風評による影響を少なからず受けていることがわかった。キャンプ場の経営にとって、言うまでもなく大きな痛手となっている。
収拾の目処もつかない原発問題、M7〜8クラスも予想される余震の可能性など、たしかに風評の根拠としたくもなるようなリスクは未だ多く潜在している。しかし、このままの状況が続いたらどうなるだろう。もっと言えば、キャンプ場の経営が行き詰まり、もし事業が継続できなくなったとして、一番こまるのはだれか?われわれ、アウトドア愛好家である。
利己的と言ってしまえばそれまでだが、そういった理由から被災地周辺エリアのキャンプ場の一助になることはできないかと考えた。それで4/23(土)〜4/24(日)、いのうえさんらとともに現地に行って、直接確かめてきたというわけである。
つづく。
Posted by tori-bird at 01:20│Comments(0)
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以下に書いたことの他にも、さまざまな状況を想定して準備を進めていたが、そのほとんど多くが結果的に取り越し苦労となってしまった。なぜなら福島県・裏磐梯は、震災の被災地ではな...
風評被害に揺れる福島県・裏磐梯へ【2】【英語ができないのに、アウトドアグッズ海外通販。】at 2011年04月27日 23:47
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