読書感想文。

tori-bird

2009年05月12日 20:50

こんにちは。鳥です。

折れたポールの続きもまだなのに。

時間軸を全く無視し、私の頭の中と同様、カオスに突入しつつある拙ブログ。いつもお付き合いくださいまして、どうもありがとうございます。今日ばかりは少し、タメになる話。というか、私自身がとてもタメになったお話です。

「格好ばっかのUL豚野郎が!これでも読んでおけ!」

とkimatsuさんより手渡されたのが、こちらの二冊。



「ドキュメント 道迷い遭難」
「生還 山岳遭難からの救出」
著者 羽根田治

です。
元の持ち主はいまるぷさん。「私のバイブルですよ」とのことでした。ほほぅ、それなら読んでみようじゃないの。と思い、ページをパラパラ。パラパラパラ。夢中で読んでしまいました。読み終わったのは、なんと櫛形帰りの翌日。それぐらい、私にとってタメになるお話ばかりだったのです。

とはいえ、正直に言いますと、はじめは「自分にはあんまり関係ないかな~」と見くびっていました。というのも、私が足を運ぶのは奥多摩ぐらい。整備された登山道が縦横にあるので、道に迷ったところで遮二無二登ればどこかに出るはず。槍とか行くわけじゃあるまいし、しょせん遭難なんて他人事だと浅く考えていた自分がいました。

ところが、読んでみて、意外にも初心者向けのコースや、低山などでの遭難例も数多く掲載されているじゃありませんか。たとえば、奥秩父・和名倉山でのケース。冒頭から一文を抜き出してみましょう。

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ひとりで始めた街のウォーキングが、いつの間にか奥多摩や中央線沿線の山への日帰りハイキングとなり、それが二年目ぐらいから本格的な山登りになっていった。

最初のうちは、もっぱら単独行だった。山登りの知識や技術は、雑誌や本などで独学した。が、傍から見ているとかなり危なっかしいこともあったようだ。


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ぬお。誰かを見ているようです。むしろ、独学しているだけこの人のほうが私なんかよりはるかにえらい。傍から見た危なっかしさなら、かなりいい勝負ができそうです。

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五月二日はどうしても会社に出勤しなければならず、二泊三日の計画を一泊二日に変更する必要があった。これにより、将監小屋から和名倉山をピストンして丹波へ下りるつもりだったのを、和名倉山から秩父湖へ下山する計画に変更してしまったのである。

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う~ん。身に覚えが。計画変更なんて茶飯事だしなぁ。しかも、和名倉山といえば、雲取山の北西、2000m前後の山域。ぼちぼち私も足を伸ばそうかなぁなんて思っていたエリアです。こんな身近なところで遭難が起こっていたとは。

彼女・・・遭難した女性は、笹薮でルートを見失い、迷いながら目についたテープを頼りに進んでいくのですが、いつしか登山道を離れ、深い谷底へ。気付けば沢沿いの道に降り立ち、そこでようやく「なんかおかしい!」と悟り、自分が遭難した事実を思い知るのです。

冬山しか知らない私は、笹薮が登山道を隠してしまう、その恐ろしさをまだ知りません。また、「テープを探して歩けば大丈夫」という固定観念に、疑いを持ったことはありませんでした。いや、テープに従って歩いていたら急な斜面に出て立ち往生し、なんとか引き返して事無きを得たこともあったのですが、まさかそのときの自分が遭難しかけているという自覚もなかったわけです。

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「すごい、すごい」とおだてられてしまいまして(中略)今から思えば、それが慢心を引き起こしたような気もします

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ああ、そんな風におだてられた記憶も・・・。
あぶない、あぶないよ鳥さん!

ということで、これからも楽しくハイクできるように、この三か条をメモしておきます。

●道に迷ったら引き返す!
●迷ったら沢には下りない!
●テープを絶対だと思うなよ!
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